
私は、昔から推理小説マニアです。アガサ・クリスティーという推理作家は犯人として考えられるあらゆるパターンを想定して、沢山の推理小説を書いた事を知りました。ネタバラシとなってしまいますが、アガサは妊娠中の風疹感染からの流産を動機とした推理小説を書いています。これは、動機を探す事が事件を解くカギとなっています。
耳鼻咽喉科診療においても患者さんの症状から種々の病気を疑って、診察して耳鼻のどを見て、必要があれば検査をして、診断をするという一連の流れがあります。この中で、あらゆる病気を想定して診療をすすめていく作業が、あらゆるパターンを想定するという推理小説と重なります。医師としていかに多くの知識といかに多く見た経験があるかがものをいう訳です。さらには、治療のレシピとして、多種類の薬の使い分け、手術が必要かどうかについては医師としての手術の経験数などが、患者さんへの医療行為の選択肢と結びついていきます。また、手術が必要となれば近隣の病院のドクターについて、いかによく知っているかという、その医師の過去の職歴などが問われます。
これらの事柄を、診療中にその1人の患者にその時間内に、いかに結び付けていけるかが、開業医としての技量となると考えています。
