ストラチャンの衛生学説

1989年にストラチャンにより提唱された、「幼少期における微生物や感染症への暴露が減少すると、免疫系の正常な発達が妨げられ、アレルギーや自己免疫疾患の増加につながる可能性がある。」という衛生学説について 

昨年ノーベル生理学医学賞を受賞された坂口志文先生は、「ストラチャンの衛生学説は、制御性T細胞で説明がつくという解釈が有力になりつつある」とその書籍において述べられています。 

坂口先生は今後、制御性T細胞を介してのアレルギー疾患の治療が主流になるのではないかということを述べておられます。私達耳鼻咽喉科医は、この治療に期待しています。 

一方で、私は、ストラチャンの衛生学説は、今まで行われてきた幼小児の鼻や耳の粘膜の細菌感染症に対する抗生剤治療に警鐘を鳴らす理論であると考えています。 

当院においては、特に乳幼児期の子供の鼻や耳の粘膜における細菌感染症には抗生剤治療をおこなわず、膿性鼻水をくりかえし吸引し、耳漏を排出している中耳炎に対しては耳洗浄を繰り返すことによる治療をおこなっています。