喉頭がん

さて、今回のテーマは喉頭がんです。耳鼻咽喉科領域で取り扱う悪性腫瘍の中で最も多いものです。

しかし、すべてのがんの中では1%ほどにすぎません。男性と高齢者に多くみられます。診療所や一般病院では「耳鼻咽喉科」にかかれば良いですが、がんセンターや大学病院では「頭頸部科」あるいは「頭頸部外科」の診療科目になることがあります。

症状

嗄声いわゆる「声がれ」です。2週間以上続く声がれがあれば耳鼻咽喉科を受診しましょう。喫煙者は要注意です。頻度は少ないですが、飲み込みにくさやのどの違和感を長期に感じたら一度耳鼻咽喉科を受診しましょう。「がん」では痛みの症状は起きにくくつらくありません。これが、「がん」の発見を遅らせている要因のひとつと考えられます。

検査

耳鼻咽喉科での診察で喉頭がんを見つける検査には、間接喉頭鏡検査と喉頭ファイバー検査(喉頭電子スコープ検査)があります。

間接喉頭鏡検査は、患者が口をあけ医師がその舌を引っ張りのどの奥を柄のついた丸い鏡で見る検査です。簡単な機械で医師が観察できる検査で、どの耳鼻咽喉科でも受けられる検査です。しかし、舌が大きく喉が狭く見づらい人や絞扼反射(舌の奥を触ると戻しそうになる反射)が強い人には不向きです。

喉頭ファイバー検査は当院でも開業当初より行っています。数年前に電子スコープ検査も導入しました。これは医師がカメラを覗くのではなく、テレビモニターに画像が映るのを見ながら検査するタイプのものです。

どちらの検査機器も耳鼻咽喉科では鼻から入れます。内科の胃カメラよりもかなり細く(直径3㎜程)耳鼻咽喉科では鼻の処置(麻酔など)は事前に丁寧に行いますので苦痛はほとんどありません。当院では、検査の様子をハードディスクに録画して、検査直後に再生画像を見ながらゆっくり説明します。

診断治療

喉頭がん咽頭がんなどは熟達した耳鼻咽喉科専門医であれば画像をみて疑うことができます。この時点で、開業医であればがんを扱っている総合病院の耳鼻咽喉科あるいはがんセターの頭頸部科に紹介します。そこで、病気の部位の組織を一部採取し、病理学的検査(顕微鏡検査)を行って診断をつけます。

がんであれば、CT検査、PET検査などでがんの広がりを調べ、初期のがんか進行がんなのか診断し、治療方針を決めます。治療は、放射線治療が中心です。放射線が非常によく効くがんが多いです。進行すると外科的手術や抗がん剤治療がありますが、早く見つかれば約90%の方が放射線治療で治ります。

予後

喉頭がんはすべてのがんのなかで最も予後が良いがんのひとつと言われています。その要因の一つに、声がれが早期からおこるので早く見つかりやすいことがあげられます。男性で高齢者で喫煙歴があり2週間以上つづく声がれがあれば迷わず耳鼻咽喉科専門医に受診してください。