外耳道真菌症の局所処置治療

外耳道真菌症とは

外耳道真菌症とは、耳の穴(外耳道)に真菌(カビ)が繁殖することで起こる感染症です。 耳掃除の繰り返しやステロイド軟骨などの不適切な使用などをきっかけに、外耳道は皮膚のバリア機能が失われ滲出液が漏出して湿った環境になると真菌が繁殖しやすくなります。

細菌による外耳道炎と比べ、かゆみや痛みが急に激しくおきると真菌症を疑います。 耳の閉塞感や難聴症状が強く、生活に支障がでることがあります。

外耳道真菌症の症状と診断

主な症状

  • 耳のかゆみ
  • 耳の痛み(急に激しくおきる場合が多い)
  • 耳だれ(分泌物)
  • 耳のつまった感じ
  • 聞こえづらさ(難聴)
  • 耳鳴り

診断

耳鼻咽喉科では、診察時に顕微鏡を用いて耳の中を直接観察し、真菌症の特徴を確認して診断します。厳密には細菌(真菌)検査での真菌の存在が確定診断となりますが、耳鼻咽喉科専門医であれば顕微鏡の視診により診断できることが多いです。

治療薬の違いから、症状が似ている細菌性の外耳道炎や中耳炎と区別することが最も重要です。

外耳道真菌症の原因

外耳道真菌症は、主に以下のような状況で起こりやすくなります。

  • 湿気や蒸れ(汗・入浴・水泳など)
  • 耳掃除のしすぎによる皮膚の傷
  • 外耳道皮膚のバリア機能低下
  • 補聴器やイヤホンの長時間使用
  • 外耳道炎の治療中、あるいは治療後
  • ステロイド軟膏を長期間繰り返し塗布すること

通常、人間の皮膚表面には細菌や真菌はわずかに存在しますが、バリア機能により守られています。しかし、外耳道内はくり返し搔破すると皮膚が薄くなりバリア機能が失われ、滲出液が漏出して真菌を増殖させ、真菌症となってしまいます。

外耳道真菌症の治療

① 耳の清掃処置

耳鼻咽喉科診療では、顕微鏡下に丁寧に外耳道を清掃します。特に鼓膜表面のびらんや肉芽上に真菌が繁殖している場合(患者さんの耳痛は特に強い)は、この真菌塊を取り除く処置が最も重要です。(真菌を取り除くだけで患者さんの痛みは軽減します。)

② 耳洗浄(耳をきれいに洗う処置)

耳鼻咽喉科では、専用の器具を用いて耳の中にたまった真菌や汚れを温かい(37℃の)生理的食塩水で耳洗浄を行います。

③ 外耳道や鼓膜表面の局所治療

洗浄した後、鼓膜に病変がある場合は、顕微鏡下に真菌の温床となっている鼓膜肉芽にトリクロール酢酸などを塗布し、鼓膜表面の創傷治癒を促進させます。その後、外耳道に抗真菌剤を丁寧に塗布したり、抗真菌剤の点耳(耳浴)を行います。 皮膚のバリア機能が損なわれているケースでは外耳道上皮が再生するまで、頻回の通院が必要になることがあります。

④ 通院・経過観察

外耳道真菌症は再発しやすいため、 治療後もしばらく経過をみることが推奨されます。

⑤生活上の注意

  • 耳の中を触らない、耳掃除を控える
  • 耳を濡らさない(入浴時は注意)
  • 補聴器・イヤホンは清潔に、長時間使用を控える

特に繰り返す耳掃除の習慣は再発の大きな原因となるためひかえる事が大切です。

まとめ

  • 外耳道真菌症は、耳の中に真菌(カビ)が増えることで起こる感染症です。
  • かゆみ・耳だれ・閉塞感・難聴などの症状がみられます。
  • 診断は耳鼻咽喉科で行います。
  • 治療の中心は耳内の丁寧な処置や洗浄+局所的な抗真菌剤の塗布または耳浴
  • 自己処置では治りづらく、再発しやすいため、医療機関での治療が重要です。

耳のかゆみや閉塞感が続く場合は、早めに受診しましょう。 適切な治療により、症状は改善し再発も防ぎやすくなります。